活動報告

【3月議会の一般質問全文①医療的ケア児支援】

おはようございます☀
3月議会一般質問では、1つ目として「医療的ケア児等およびその家族に対する本市の支援について」の質問をしました。
医療的ケア児の支援について取り上げたキッカケは、戸田市内に住む、医療的ケア児のお子さんを育てるお母さんからご相談をいただいたことがきっかけです。
そのお母さんは医療的ケア児のお子さんの預け先に悩んでいて、保育園や児童発達支援などの預け先を探しているところでした。またこのお母さんは、医療的ケア児のお子さんに加えて、他にもご兄弟を育てていらっしゃり、医ケアの子を地域で育てていきたいことや、今後もお母さん自身の仕事を続けていきたいこと、実家が遠方で親族には頼れない状況であり、今後はどうすればいいのかと困り果てていらっしゃいました。
医療的ケア児のお子さんは頻繁に入退院も繰り返していて、行政に相談に行きたくても、物理的にも時間的にも簡単には戸田市役所までも足を運べないような状況でもありました。
私がそのお母さんと医療的ケア児のお子さんにお会いできた時に、まずご家族の生活を伺ったところ、24時間の休みない在宅看護のうえ、入退院を繰り返すお子さんの病院への付き添い、他のご兄弟のお世話や保育園への送迎、痰の吸引を1時間に1回といった生活の中で、夜も十分に眠ることができないといったお話を伺い、家族だけでどうにかするには過酷すぎる状況で、行政の支援は欠かせないと感じました。
そのような理由から、戸田市においても医療的ケア児とご家族への切れ目のない支援の必要性について3月議会で政策を訴えました!
⬇️以下が一般質問とご答弁の全文となります⬇️
(ぜひご覧くださり皆様のご意見ご感想お待ちしています!)
おはようございます。戸田の会の 宮内そうこ です。
それでは、件名1:「医療的ケア児等およびその家族に対する本市の支援について」の一般質問を始めます。
今回、医療的ケア児の支援について取り上げた経緯には、戸田市内に住む、医療的ケア児のお子さんを育てるお母さんからご相談をいただいたことがきっかけです。そのお母さんは、医療的ケア児のお子さんの預け先に悩んでいて、保育園や児童発達支援などの預け先を探しているところでした。またこのお母さんは、医療的ケア児のお子さんに加えて、他にもご兄弟を育てていらっしゃり、医ケアの子を地域で育てていきたいことや、今後もお母さん自身の仕事を続けていきたいこと、実家が遠方で親族には頼れない状況であり、今後はどうすればいいのかと困り果てていらっしゃいました。医療的ケア児のお子さんは頻繁に入退院も繰り返していて、行政に相談に行きたくても、物理的にも時間的にも、簡単には市役所までも足を運べないような状況でもありました。
私がそのお母さんと医療的ケア児のお子さんにお会いできた時に、まずご家族の生活を伺ったところ、24時間の休みない在宅看護のうえ、入退院を繰り返すお子さんの病院への付き添い、他のご兄弟のお世話や保育園への送迎、痰の吸引を1時間に1回といった生活の中で、夜も十分に眠ることができないといったお話を伺い、家族だけでどうにかするには過酷すぎる状況で、行政の支援は欠かせないと感じました。
また、現状で何が一番大変なのか伺ったところ、夫婦2人で医療的ケア児の休みない看護を続けながらも、自分たちで行政の支援の情報を集めていかなければならないことがもっとも大変であると話していました。医療的ケア児の支援は、医療、保健、福祉、保育、教育など多岐にわたり、「今後の将来に見通しが立たないことが一番不安に感じている」とお話されていました。
医療的ケア児の定義ですが、NICU等に長期入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童のことを指し、2021年時点で全国に約2万人いると推計されています。
医療技術の進歩により、日本における新生児死亡率は1000の出産に対して0.8と、世界でもトップレベルの救命率を誇り、多くの命が助かるようになった一方で、出産で命を取り留めたものの、様々な障害が残る子供も増えており、医療的ケア児はこの10年間で約2倍に増加しています。
令和3年6月公布の「医療的ケア児およびその家族に対する支援に関する法律」により、自治体の支援は「努力義務」から「責務」へと大きく変わりました。
この法律には、ポイントが2点あると考えます。
1点目は、「安心して子供を産み育てることができる社会の実現に寄与する」点であり、子供がどんな状況で産まれても、安心して育てられるようにと定められています。
2点目は、「家族の離職の防止に資する」点であり、家族、特に母親が仕事を辞めずに続けられることを目的として定められています。
法律の基本理念としては、「医療的ケア児の生活を社会全体で支援し、切れ目なく支援が行われ、教育においても医療的ケア児がそうでない児童と共に教育を受けられるように最大限に配慮しつつ支援が適切に行われ、居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられること」と定められています。この法律の制定は、医療的ケア児を育てるご家族にとって、とても大きな希望の光であると感じました。
家族の悩みとしては「仕事と育児を両立させたい」「緊急時の預け先がない」「夜間のケアがつらくて、慢性的な睡眠不足」「どこに相談すればいいのかわからない」といったものが多く、埼玉県が行ったアンケートでは、「医療的ケア児のそばからひとときも離れられない」に当てはまると答えた人は5割以上にのぼり、常時、気が抜けない家族の様子が伝わります。他にも大きな課題としては、「日中を過ごす通いの場が不足している」、「家族が24時間看護を担い心身が疲労している」、「医療的ケアの体制(看護師や教職員)が不足している」ことなどが挙げられます。
文部科学省によると、特別支援学校のみならず、地域の小中学校においても医療的ケア児が増加傾向にあるとともに、法律においても、医療的ケア児に対して教育を行う体制の拡充等を図ることが求められています。各自治体では医療的ケア看護職員の配置が進められており、学校でも安心・安全に医療的ケアを実施できる体制整備の必要性が高まっています。
このように、医療的ケア児の支援は、医療、保健、福祉、保育、教育など分野が多岐にわたりますが、もしも支援がなければ、支えるのは家族だけです。家族が休息をとったり、保育や教育を安心して受けられる体制づくりの構築が、この法律制定の骨子であり、自治体の責務となりました。
そこで戸田市においては、医療的ケア児への支援体制が現在どのように進められているのか確認したく、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
件名1:「医療的ケア児等およびその家族に対する本市の支援について」
 (1)本市の医療的ケア児等の支援の現状について。
  ①医療、保健、福祉、保育、教育など、多岐にわたって支援が必要な医療的ケア児等やその家族が、年齢に応じて必要な支援を受けられるための行政間の連携について。
 (2)出生後、NICU等から退院した後における在宅生活への円滑な移行のための支援について。
  ①医療的ケア児等の家族が、退院後に最初に相談できるところ及びその支援内容は。
 (3)未就学児期の社会生活支援について。
  ①保育園の受入状況とガイドラインの主な内容について。
  ②未就学の医療的ケア児等の受入先にはどのようなところがあるか。
  ③医療的ケア児等コーディネーターについて。
 (4)小学校就学以降の社会生活支援について。
  ①公立小中学校における医療的ケア児等の受入体制の整備について。
  ②地域の学童保育室における医療的ケア児等の受入体制の整備について。
  ③放課後や長期休業期間中の医療的ケア児等の受入先について。
 (5)災害時の対応について。
  ①人工呼吸器を使う医療的ケア児等について、本市はどのような支援を考えているか。
ご答弁をよろしくお願いいたします。
1(1)①についてお答えします。医療的ケア児等の支援については、出生時からの伴走型支援の中で、児童の個々の状況により、医療や育児などの相談支援を行っており、年齢に応じて障害者手帳の取得や障害福祉サービスの利用、保育所の入所や就学先についてなどのニーズが生じた場合は、それぞれの担当部局につなぎ、連携して対応をしている。同様に各部局において必要な支援が把握された場合に、担当部局と連携して対応している。また、医師や学校関係者、福祉関係事業所、関係各課等を委員とする「戸田市医療的ケア児者支援部会」において、相互に情報共有、連携を図り、適切な支援につながるように取り組んでいる。
(2)①についてお答えします。妊娠期から出産・子育て期までの伴走型相談支援として、妊娠届出時や出産後の赤ちゃん訪問時における全員面談をはじめ、妊産婦の方の相談対応や、ニーズに沿った支援サービスの紹介・情報提供、関係機関間のつなぎを行っている。妊娠期から異常が認められた場合には、必要に応じて医療機関と連絡を取りながら、出産に備えて支援を継続していく。出産後については、医療機関からの情報提供や未熟児養育医療制度の申請時において状況を把握することや退院前に、医療機関で実施されるカンファレンスに参加し、医師や訪問看護師等とともに、必要な支援サービスの検討、在宅生活の環境整備などについて協議を行っている。退院後には、全戸訪問である「こんにちは赤ちゃん訪問」において、医療及び訪問看護等の利用状況の確認、お子さんや産婦の状態、今後の育児についてなどのお話を伺い、必要な支援サービスの提供や関係機関と連携した支援を実施している。また、継続して関わっていく中で、お子さんの医療の状況や成長段階等にあわせて、医療、障害福祉サービス、保育所入所、就学相談など、個々の状況に応じて必要な支援へつなげている。
次に、(3)未就学児期の社会生活支援について②未就学の医療的ケア児等の受入先にはどのようなところがあるかについて と(4)小学校就学以降の社会生活支援について ③放課後や長期休業期間中の医療的ケア児等の受入先につきましては、関連がございますので、一括してお答えいたします。人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を必要とする障害児の受入先としては、児童福祉法に基づき、未就学児が対象の「児童発達支援」、小学校、中学校、特別支援学校等に就学している障害児が対象の「放課後等デイサービス」がございます。その他、上肢、下肢又は体幹の機能障害などの肢体不自由があり、理学療法等の機能訓練又は医療的管理下での支援が必要であると認められた18歳までの障害児が対象となる「医療型児童発達支援」がございます。
次に、(3)③医療的ケア児等コーディネーターについて、お答えいたします。本市には、相談支援等の実務経験が3年以上ある者が受講対象となる「医療的ケア児等コーディネーター養成研修」を終了した相談支援専門員が、市内4か所の事業所に計5名おります。「医療的ケア児等コーディネーター」は、日常生活で医療的ケアが必要な方及びそのご家族と、保健・医療・福祉・子育て・教育などの社会資源をつなぐ役割を担い、医療的ケアの必要な方の生活を支えるために一緒に考え、整えるお手伝いをしております。
続きまして、(3)未就学児期の社会生活支援、①保育園の受入状況とガイドラインの主な内容について、お答えします。本市では、令和4年4月から公立の新曽保育園において日常的に支援を必要とされる医療的ケア児1名の受入れを開始しており、令和6年4月から新たに 1名を受け入れ、合計2名となる予定でございます。また、民間の小規模保育事業所においても1名の医療的ケア児が在園しております。ガイドラインにつきましては、医療的ケア児の受入れに先立ち、令和3年1 1月に「保育園における医療的ケア児受け入れに関するガイドライン」を策定いたしました。本ガイドラインには、医療的ケアの内容等の基本的事項のほか、入所までの手続きや実施体制等を掲載しております。
次に、(4)②地域の学童保育室における医療的ケア児等の受け入れ体制の整備について、お答えいたします。現在、学童保育室においては、医療的ケア児は在籍しておりませんが、今後の受入れにつきましては、医療的ケア児一人一人の状況や、主治医の指示等に基づく医療的ケアの内容等について、保護者や小学校等関係機関と協議を行い、安全で安定的な医療的ケアを行うことが可能と判断した場合に、公立又は民間学童保育室において、保育場所の確保や看護師の確保などの、受け入れ準備を行っていくこととなります。
(4)小学校就学以降の社会生活支援について①公立小中学校における医療的ケア児等の受入体制の整備について、お答えします。本市では、入学前年度の4月より市教育センターにおいて発育等の様々な悩みを抱えている5歳児の保護者を対象に、早期就学相談を開催しております。何らかの医療的ケアが必要な相談については随時お問い合わせをいただいております。その際、保護者の思いや負担に寄り添いながら、関係部局と連携を図るとともに、市就学支援委員会における専門的な意見をふまえ、就学支援を実施しているところでございます。今後も学校において、適切な医療的ケアが実施できるよう医療機関と連携しながら、体制整備に努めてまいります。
(5)①についてお答えします。人工呼吸器を使う医療的なケアが必要な方に対して、災害時に市ができる支援としては、生命に直結する医療機器に必要な蓄電池等への充電支援があげられます。災害に伴う停電等により、家庭での充電が困難となる際には、蓄電池等を非常用電源が利用可能な避難所にお持ちいただき、充電していただける環境を整えて参ります。
ご答弁ありがとうございました。それでは順次、再質問をさせていただきます。
まず、(3)①保育園の受入状況とガイドラインの主な内容についてですが、保育園の受入対象にはなっているけれども、定員超過で入れない場合に、定員の増加を検討することは可能か、そして、現在の新曽地域の保育園では遠すぎて通いにくいという方が今後出てきた場合には、市内の他のエリアの保育園にも受入先を増やせるかどうか、お伺いいたします。
新曽保育園における医療的ケア児の受入れ人数は、現在、原則2名以内としております。安全で安定的な医療的ケアを行うために不可欠な看護師の増員など、受入れ体制が整備できた場合は、定員の増加を検討してまいります。また、新曽保育園での受入れにつきましては、一時保育の休止が可能であり保育室を確保できたこと、駐車場があること、などの理由により選定されたものでございます。新曽地域以外への医療的ケア児の受入れにつきましては、看護師等の人材の確保だけでなく、医療的ケア専用の保育室の確保など、ハード面での課題もあることから、必要な環境の整備を含め、引き続き、受入れ施設の拡大について検討してまいります。
前向きなご答弁をありがとうございます。続いて再質問をさせていただきます。ガイドラインには「受入困難な場合は関係機関と連携を図りながら他施設や他事業への紹介等の対応を行う」と記載がありますが、保育園に受け入れ困難な場合、どのように他の支援機関に繋いでいくのか、お伺いいたします。
医療的ケア児の状況等につきましては、日頃より、医療、保健、福祉、教育等の関係機関で密に情報共有を図り、保護者からの相談等に対して、適切なご案内ができるよう協力体制を築いております。保育園での受入れが困難となった場合には、障害福祉課等の関係部署と連携を図り、他施設や他事業を紹介するなど、切れ目のない支援を行えるよう努めているところでございます。
ありがとうございます。もし保育園が受け入れ困難である場合には、ご家族はとても不安になり戸惑いも大きいと思いますので、ガイドラインにも記載されていますように、ご家族に対して切れ目なく寄り添っていただけますように、丁寧な対応をよろしくお願いいたします。
続いて(3)③医療的ケア児等コーディネーターについて再質問をさせていただきます。市内には医療的ケア児等コーディネーターが5人もいらっしゃるということで大変心強いと感じています。まだ、私が相談を受けているお母さんからも、「コーディネーターさんには大変寄り添っていただいていて心強いです。」とお話を聞いており、コーディネーターさんにはとても感謝していました。そこで再質問なのですが、この戸田市の医療的ケア児等コーディネーターには対象とする年齢等の制限はあるのかどうか、お伺いいたします。
医療的ケア児等コーディネーターの支援の対象として、年齢等の制限はございません。年齢に関係なく、医療的ケア児等とそのご家族の相談・支援を行っております。
年齢制限がないとのことで、コーディネーターの支援には期限はなく、ずっと長期に渡って寄り添っていただけると聞いて大変安心いたしました。
続いて、(4)③放課後や長期休業期間中の医療的ケア児等の受け入れ先について、再質問をさせていただきます。放課後等デイサービスは、医療的ケア児のお子さんを育てているご家庭にとってもとても重要な役割を果たしていますが、実際に戸田市では、医療的ケアのお子さんで、放課後等デイサービスを利用している方はいらっしゃるのかどうか、お伺いします。
放課後等デイサービスの利用につきましては、これまでも、また、現在においても医療的ケア児等の中で、利用されている方はいらっしゃいます。
利用実績がすでにあるということで安心しました。保護者の方も放課後等デイサービスが利用できることが分かれば、安心してお仕事や療育ができると思いますので、ぜひ周知やご案内をよろしくお願いいたします。
それでは次に、(5)①災害時の対応について再質問をさせていただきます。医療的ケア児は電源の確保が生命に直結し、避難ルートをあらかじめ決めておくなど災害時には入念な対応が必要です。
先日、和光南特別支援学校にお子さんが通っていらっしゃるというお母さん達にもお会いしてお話を伺いました。そこで、「戸田市はペット同行避難訓練などにも力を入れており、大変素晴らしいと思います。次はぜひ、障害を持つ方やその家族のための避難訓練を実施して欲しいです。」とのお声もいただきました。そこで、医療的ケア児も含む障害のある方のための避難訓練の検討をお願いしたいのですが、それについて市の考えはいかがでしょうか。
医療的ケアが必要な障害のある方の避難については、専門的な支援や配慮が必要となるため、避難訓練により適切な行動や援助を事前に把握することは非常に有効であると考えられます。先進自治体の事例を参考に関係部署とも連携して、引き続き調査・研究して参ります。
令和6年度施政方針では、「デジタル防災訓練も行う」とあり、自宅から移動することが簡単ではない医療的ケア児やご家族にとっても、まずはデジタル防災訓練など始められることから実施していただけますと、避難ルートをイメージしたり、必要な荷物の準備ができたりと、安心されるかと思います。
障害のあるお子さんのご家族のお話を伺うと、「誰一人取り残されない政治というのなら、私たちのこともどうか忘れないで欲しい。」という声を多くいただきます。ぜひ、今後は医療的ケア児のご家族を含む障害のある方を対象とした避難訓練も、段階を踏みながら実施していただけますように、要望とさせていただきます。
最後のまとめとなりますが、先日は、戸田市教育委員会が主催する「教育と学びの未来を創造するプラットフォームイン戸田」というイベントに参加させていただきました。「インクルーシブ教育」について学んだり、学校の校長先生などともお話できる貴重な機会となりましたが、専門家からは「地域の学校で学ぶ権利と、個々のニーズに応じた学びや支援を得る権利との、その両方を両立させることが難しい」という課題がありながらも、「通常の学級における授業づくりや学級経営を、障害のある子どもがいることを前提としたものに変革する」必要性についてお話されていました。特に、インクルーシブな学校を目指すために「箱に合わせて児童を育てる」のではなく、「児童に合わせてふろしきで包みこむ学級へ」という目指すべき学校像については印象的で、「ふろしきで包み込む」という表現は大変イメージしやすかったです。
この一般質問で私が最も伝えたいこととして、次のようなことがあります。
医療的ケア児のお母さんのお話で、一番つらくて悲しかったことに、周囲から「子供の命と仕事、どっちが大事なのか?」「子供がこんな状況なのに、ママは仕事がしたいの?」「子供が一番大切だよね」と言われることであり、どんなに子供が大切であっても、母親が自分らしく自分の人生を生きる、ということに対しては、周囲の理解を得られない時が一番つらいとお話されていました。
2023年7月の埼玉新聞では、幼稚園や小中学校に通うケア児の保護者の24.3%が学校生活などの付き添いをしていて、その理由としては「対応できる職員がいない」ことが挙げられています。医療的ケア児のお母さんは、日中は保育園や学校などに預け、放課後はデイサービスを利用したりもしますが、それでも、生活の中心はどうしても子供の介護になってしまうそうです。そのため、医療的ケア児がいる状態で働き口を見つけるのも現実的にはとても難しいとの課題もありますが、それでも、「子供をきちんと支えるためにも親が前向きに生きられることが大切である」「医療的ケア児のお子さんを育てていても、親も社会との関わりを持ちたい」という当事者の気持ちを知り、家族の人生も尊重されるべきだと思いました。
この法律によって、物理的な支援体制が整うことがまず重要ではありますが、さらには、医療的ケア児のご家族がどのような人生を望んでいるのか、そういう深いところまで、支援をする側や、周囲の理解が広まっていくことが、この法律制定のもっとも重要な部分なのではないかと、当事者のお話を聞いて私は感じました。
医療的ケア児の支援は日本全国でも始まったばかりで前例のないことも多く、行政においても本当に大変であると思いますし、福祉や保育、教育現場でもすでに精一杯に取り組んでいらっしゃることと思いますが、ぜひ、ご家族の気持ちも尊重していただきながら、戸田市における支援体制を今後も一歩一歩進めていっていただけますように心よりお願いを申し上げまして、私の件名1の質問を終わらせていただきます。
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