活動報告

【3月議会一般質問(戸田市における国際化と多文化共生推進計画について)の振り返りと、戸田市のウクライナからの避難民の受け入れ意思の表明について】

【3月議会一般質問(戸田市における国際化と多文化共生推進計画について)の振り返りと、戸田市のウクライナからの避難民の受け入れ意思の表明について】
こんにちは、宮内そうこ です。
3月議会一般質問では、「戸田市における国際化と多文化共生推進計画について」の政策を訴えさせていただきました。
2022年2月24日に開始したロシアによるウクライナ侵攻によって世界情勢は大きく変わり、戸田市においても菅原市長が市長コメントを発表し、戸田市としてウクライナからの避難民の受け入れ意思を表明しました。
このような状況の中で、日本人と外国人がともに、国籍や民族による文化の違いや、多様な価値観を認め合うことがますます重要になっており、地域社会においても、お互いに尊重し合って暮らしていくための多文化共生の視点に立った取り組みが求められています。外国人が安心して生活できるサポート体制の充実や、日本語および日本社会に関する学習支援の充実、多言語での情報提供、多文化共生に向けた市民への意識啓発や、お互いの言語や文化を相互理解することによって、差別などを生まない環境づくりがとても大切だと考えます。また、日本に住むロシアの市民に対しての差別といった懸念もありますが、そういったことが起こらないように、戸田市においても多文化共生推進をさらに進めていくことがこれからますます重要であると思います。
以下に、3月議会一般質問での内容の全文を記載していますので、もしよろしければご覧になってみてくださいね。
また今週から、6月議会の一般質問への準備や、市の担当課の職員さんへのヒアリングなども進めていきたいと思います。ここ最近では、市民の方々から多くのご意見メールを寄せていただけるようになり大変ありがたいことですが、そういったご意見の中から、「これは特に重要なのではないか」と感じたテーマを一般質問で取り上げています。ですが、一般質問しないご意見に関しましても、必ず担当課の職員さんにお伝えして解決に向けて動いていきたいと思いますので、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいね(^^)
以下、3月議会の一般質問の全文です。(長いですので、気になる箇所だけでもご覧になってみてくださいね)
件名:「戸田市における国際化と多文化共生推進計画について」の一般質問
皆さんこんにちは。戸田の会の宮内です。
それではこれより、件名:「戸田市における国際化と多文化共生推進計画について」の一般質問をさせていただきます。
経済・社会のグローバル化が進んだことによって、人々の国際移動はますます活発になり、法務省によりますと、令和3年発表の在留外国人の数は282万人となり、ここ数年続くコロナ禍の影響で一時的に日本への入国者数は減少しているものの、外国人の定住化および永住化は今後も続くと予想され、長期的にみて増加傾向にあります。
そして、昨年の夏には東京オリンピックとパラリンピックが開催され、今年の冬には北京オリンピックとパラリンピックが開催されている中で、人々の国際社会や多様性への意識や関心は、よりいっそう高まったことと思います。
このような状況の中で、日本人と外国人がともに、国籍や民族による文化の違いや、多様な価値観を認め合うことがますます重要になっており、地域社会においても、お互いに尊重し合って暮らしていくための多文化共生の視点に立った取り組みが求められています。
国は、平成18年に、「国際交流」「国際協力」に加えて、第3の柱である「地域における多文化共生」を加えた「地域における多文化共生推進プラン」を策定し、各自治体に計画の策定を呼びかけました。また、平成30年には、新たな在留資格を創設する「改正出入国管理法」が成立し、外国人材の受け入れ拡大に向けた動きが広がっています。
その国の計画を受け、埼玉県でも、平成19年には「埼玉県多文化共生推進プラン」を策定して、多文化共生の推進に取り組んでいます。
戸田市では、「戸田市第4次総合振興計画」における「国際交流・国際化」の分野で、国際交流の促進と市内在住外国人への支援の充実の2つの施策を掲げ、公益財団法人戸田市国際交流協会(TIFA)と連携し、市内における国際化への取り組みを進めてきました。そして、戸田市でも平成31年に「戸田市多文化共生推進計画」が策定されて、それから約3年が経ちます。
戸田市における外国人市民の数は、令和4年2月には7309人となり、これは総人口の約5.2%を占めています。戸田市は東京都に隣接しており、交通網も利便性が高く、外国人市民にとっても住みやすい環境であるといえます。コロナ禍で一時的に停滞しているものの、今後も増加傾向は継続していく見込みです。
令和4年2月の戸田市における外国人市民の国籍別の割合は、約49%が中国国籍であり、次いで、ベトナム(約15%)、韓国・朝鮮(約10%)、フィリピン(約7%)となります。国全体の中国籍の割合が令和3年6月末時点で約26%であるのに対して、戸田市では中国籍の割合が約49%を占める点は、大きな特徴であるといえます。
また、在留外国人の年代別の割合では、20代、30代の割合が高く、戸田市では若い世代の割合が高い状況です。さらには、市民意識調査では、64%が「子供がいる」と回答しており、「0歳~5歳」の子供がいると答えた割合が約51%、「6歳~12歳」の子供がいると答えた割合が約30%と高くなっており、戸田市に住む外国人は、小学生以下の小さな子供がいるご家庭が多い点が特徴といえます。
私も戸田市で子育てをする中で、外国籍のママ友や子供の友達が増えていき、子育てを通して外国人の親子と交流する機会も多くあります。その中で、「戸田市はとても住みやすい街であり、暮らしやすい」ということはよくお聞きしますが、その一方で、日本語がうまく喋れないといった言葉の悩みを聞くこともあり、また、ときどき孤独感を感じてしまうといった悩みも聞くこともあります。
私自身も学生の頃から国際交流にはとても興味があり、短期の留学や旅行などで海外に行った経験の中では、言葉が通じないストレスや、外国にいくと自分自身がマイノリティであることの心細さや不安を感じたことがあります。「郷に入っては郷に従え」ということわざがありますが、外国に住むということは、その国の文化や宗教・価値観などを深く理解して、その環境に自分を合わせる努力も必要となります。戸田市は住みやすいまちと言われる一方で、外国人の方々にとっては戸田市に住むために大変な努力をされていることも、実感しています。また、外国人市民を受け入れる日本人市民にとっても、さまざまな摩擦や葛藤もあると感じています。
先ほど触れた「多文化共生に関する市民意識調査結果」では、外国人市民へのアンケートと、日本人市民へのアンケートと、それぞれのアンケート結果から次のようなことが見えてきました。
まず、外国人市民へのアンケート結果では、「戸田市は住みやすいところだと思いますか?」の質問に対して、「住みやすい、まあまあ住みやすい」と答えた割合が約95%にものぼり、とても嬉しい結果となっています。その一方で、「あなたは、日常生活の中で差別や偏見を感じたことはありますか?」の質問では、「ときどきある、よくある」と答えた割合が約51%とやや多く感じました。多く挙げられる悩みとしては、「子育てや教育のことで相談する相手がいない」「保護者同士のコミュニケーションがとれない」「保護者へのお知らせや連絡の内容がわからない」といった意見があります。
また、次に日本人市民のアンケート結果を見ると、「近所に外国人が住むことについてどう思いますか?」という質問に、「好ましい、どちらかといえば好ましい」と答えた割合が約20%であり、「どちらかといえば好ましくない、好ましくない」と答えた割合が約25%、「どちらともいえない」と答えた割合が約54%となっています。
前向きな意見としては、「外国の文化に触れることができる」「外国人の知人や友人が増える」「外国語を覚える機会になる」「まちに活気がでる」といった意見が挙げられています。その一方で、心配する意見としては、「ルールやマナーを守らない人が増える」「犯罪への不安」「文化の違いによるトラブルが増える」といった意見もあり、よくあるトラブルの例としては「ゴミの出し方」「騒音問題」などが挙げられています。
また、「あなたは地域で外国人と交流することがありますか?」という質問では、約19%が「ある」、約80%が「ない」と答えており、交流が「ない」と答えた割合が高いものの、「外国人市民が地域の活動に参加することについて」の質問では、「積極的に参加して欲しい、どちらかといえば参加してほしい」が合わせて約84%にのぼり、多くの日本人市民が、外国人市民を受け入れて理解し合うことを望んでいるように感じます。
特に注目すべきは、「何事も相手を知ることによって許容できていくものだと思うので、交流の機会を増やすことが快適な共生への近道だと思います」という意見であり、私も強く共感いたしました。相手のことが分からない、相手のことを良く知らない、ということが、警戒心に繋がる大きな要因かと思いますので、まずは交流の機会を増やして相手を良く知ることが、お互いを好意的に受け止め、理解するために最も大事なことと考えます。
そして快適に交流していくためには、多言語での情報提供や、外国人市民の生活相談窓口などの整備、日本語教室や国際交流イベントでの心の交流、外国人が安心して生活するためのサポート体制の充実、多文化共生推進のための体制づくりが重要であると考えます。
また、戸田市における国際理解教育においても、日本人の児童生徒が外国語を習得することに加えて、子供の頃からの多文化や多様性への理解を促す教育も、とても重要であると考えます。そこで、「戸田市における国際化と多文化共生推進計画について」お伺いいたします。
それでは、通告に従いまして、一般質問をさせていただきます。
件名:戸田市における国際化と多文化共生推進計画について
(1)  多文化共生に向けた市民への意識啓発について
(2)  国際交流イベントの実施と周知について
(3)  多言語での情報提供について
(4)  日本語および日本社会に関する学習支援について
(5)  外国人が安心して生活できるサポート体制の充実について
(6)  多文化共生推進のための体制づくりについて
(7)  小中学校における国際理解教育への取り組みについて
ご答弁をよろしくお願いいたします。
(執行部からいただいたご答弁)
(1)多文化共生に向けた市民への意識啓発について
●本市は、多文化共生のまちづくりを目指し、平成31年3月に「戸田市多文化共生推進計画」を策定いたしました。本計画では、目指す将来像を「互いの文化を認め合い やさしさでつなぐまち とだ」とし、その実現に向けた4つの施策を掲げております。その1つである「お互いを認め合い、共に支え合う意識づくり」については、協働推進課「外国人市民相談窓口」での本計画概要版の配布や各課関連事業における啓発、学校での多様性を学ぶ授業などを通して、多文化共生に向けて意識啓発を図っております。
(2)国際交流イベントの実施と周知について
●国際交流イベントは、在住外国人との文化的な地域交流活動の推進を目的に、戸田市国際交流協会が実施しております。音楽や華道体験などそれぞれの文化に触れ合う「多文化交流ひろば」、海外の文化を体験する「地域ふれあい交流プラザ」、外国料理を作ることを通じてその国の文化や風習などを学ぶ「ワールドクッキング」など様々なイベントを開催しております。実施に当たっては、市及び国際交流協会の広報誌やホームページ・SNS等で周知しているところです。
(3)多言語での情報提供について
●多言語化に向けては、外国人が理解しやすい情報提供の方法を示した「多言語化推進に当たっての基準」に基づき、各所管課等が多言語による情報提供を行っております。例として、ゴミ出しのルールや、地震や洪水などに備えたハザードブック、町会・自治会への加入促進のチラシなどがございます。また、市のホームページには、英語をはじめ5つの言語に変換する自動翻訳機能が備わっておりますが、さらに、協働推進課のホームページ内においても、やさしい日本語による外国人向けの案内を掲載しております。
(4)日本語および日本社会に関する学習支援について
●日本語の学習支援として、国際交流協会において、ボランティアによる日本語教室を実施しております。日本語のレベルに応じて年60回程度開催しております。学習の中では日本の文化やマナーに関する学びの機会も提供しております。また、日本語スピーチコンテストを実施しており、日本語学習の成果の発表の場となっております。
(5)外国人が安心して生活できるサポート体制の充実について
●サポート体制については、困りごとに対応する相談窓口を設けております。協働推進課「外国人市民相談窓口」では、英語、中国語、韓国・朝鮮語のスタッフを配置しているほか、翻訳機を用いて行政手続きの支援や相談支援を行っております。また、国際交流協会では、「外国人困りごと・生活相談窓口」で、生活全般に関する相談や通訳の派遣を行っているほか、「外国人法律相談」による弁護士相談も実施しております。相談支援以外にも、外国人防災訓練の実施や町会・自治会へ外国人の加入を推進するなど、地域の助け合いによる外国人支援の取り組みが行われております。引き続き、支援体制の充実に努めてまいります。
(6)多文化共生推進のための体制づくりについて
●市では、「戸田市多文化共生推進計画」に基づき、日本人と外国人の市民が共に参加する「戸田市多文化共生推進市民会議」を設置し、多文化共生施策の推進を図っております。また、市と国際交流協会が中心となり、県や町会・自治会などの関係団体と連携を図りながら、多文化共生に向けた地域づくりを進めているところです。令和4年度には第2次戸田市多文化共生推進計画の策定となりますので、様々な検討を行い、より実効性のある計画とすることで、引き続き多文化共生のまちづくりを進めてまいります。
次に(7)の小中学校における国際理解教育への取組についてお答えします。
●社会や経済のグローバル化が急速に進む中、子供たちが国際社会の一員として、異なる考え方や価値観を持つ人々と相互理解・交流を図り、「多文化共生の理念」を育んでいくことは、重要な課題の一つであると捉えております。そうした中、各学校において日本及び諸外国の伝統や文化等についての深い理解や多様性尊重の精神、国際社会で通用するコミュニケーション能力などを育みながら、国際感覚を醸成していくために、各教科等の学習を通して国際理解教育に取り組んでおります。例えば、外国語活動・外国語科では、英語によるコミュニケーション活動を通して、相手の立場を尊重しつつ、自分の考えや気持ちを表現する力を育成しています。また、総合的な学習の時間において、戸田市に住む外国人の課題を通じて外国人とふれあうPBLを行ったり、オンラインで海外の日本人学校と交流する活動に取り組んだりした学校もあります。さらに、道徳科では国際理解・国際親善の内容項目を扱ったり、本市が独自に全小学校で導入しているセサミストリート・カリキュラムを通して、様々な文化や考え方があることや自分とは違う他者を理解することなどの多様性の尊重や理解についても学んだりしております。
ご答弁ありがとうございました。
それでは、順次、再質問をさせていただきます。
まず、この多文化共生推進計画で目指す将来像を「互いの文化を認め合い やさしさでつなぐまち とだ」としており、大きなキーワードかと思いますが、そのためには、やはり相互の触れ合いの機会が大切かと思います。そこで、(2)「国際交流イベントの実施と周知について」再質問をさせていただきます。国際交流協会では、さまざまな国際交流イベントを開催していて、参加してみたいなと思うイベントも多いのですが、あまり広く知られていないようにも感じています。これらの交流イベントに加えて、こどもの国で行われているような、施設いっぱいに混みあうお祭りのような、子育て世代も巻き込むようなイベントも開催されるといいなと思っております。(再質問1)多世代交流館でもある「さくらぱる」は、駐車場も含めて館内も広々としておりとても立派な施設なので、その建物の環境も活かして、年に1回など大規模な国際交流イベントを開催すれば、子育て世代も含めた多世代にわたる多くの集客が見込めると思いますし、そこでTIFAが行う事業についてパンフレットを配ったりして、より広く周知することができるのではないかと思いますが、そのような大規模イベントの開催についてはどのように考えますか?
(再質問1へのいただいたご答弁)
●国際交流協会は、ニーズに合わせた様々な交流イベントを行っており、子供を対象とした英会話講座など親子向けの企画も実施しているほか、さくらパル祭りでのミニ国際交流フェアの開催や戸田ふるさと祭りへのブース出展など、集客力のあるイベントへの参加を通して、周知の機会を設けております。議員のご意見を参考に、今後とも子育て世代をはじめとした、多くの方に参加していただけるよう、イベントの内容や周知の仕方を工夫してまいります。
ご答弁ありがとうございました。
例えば、他の自治体の国際交流イベントで面白そうだなと感じた内容では、イベントに遊びに来た子供たちが世界の民族衣装を着ることができたり、国ごとのブースに分かれてその国の特徴を表すような出店を開いたり、さまざまな国の食べ物を販売して、色々な国の文化を学べるようなイベントなどはいかがでしょうか。これは一例ではありますが、ぜひ、子育て世代も含めた多世代の集客の見込める国際交流イベントの企画もご検討していただければと思います。
それでは次の再質問に移ります。
(3)の多言語の情報提供については、私も手に取って読ませていただきましたが、ゴミ出しのルールのパンフレット、災害に備えたハザードブック、町会勧誘のためのパンフレットはすでに多言語で表記されたものが作成されており、生活の中の細かい部分まで多言語での情報提供が進められていて、地域の中でも少しずつ多文化共生に向けた取り組みが進んでいることを実感しました。このような多言語のパンフレットを外国人市民の方々に読んでいただければ、ゴミの出し方のトラブルも減ると思いますし、外国人市民の方々の災害時の安心にも繋がると思います。(再質問2)ここで再質問になりますが、ご答弁の中で触れられた「やさしい日本語」についてですが、「やさしい日本語」とは、普通の日本語よりも簡単に言い換えたもので、外国人の方々にわかりやすいように配慮した日本語となります。例えば、「火災が発生しました、避難してください。」という文章は、外国人の方にも分かりやすいように、「火事です。逃げてください。」と言い換えられますし、「お手元の資料をご覧ください。」という文章は、「手に持っている紙を見てください。」とシンプルに言い換えることによって、外国人の方にも伝わりやすくなります。このように、多言語に翻訳しなくても、「やさしい日本語」だけでも話の内容が伝わる場合も多いそうです。そこで、市役所全体で「やさしい日本語」について共有し、どの担当課の職員さんも全庁的に「やさしい日本語」で外国人に対応できることが必要かと思いますが、それについて市で取り組んでいることがありましたら、教えてください。
(再質問2へのいただいたご答弁)
●毎年度職員向けに、多文化共生推進に関する研修を実施しており、本年度は、やさしい日本語による会話を学ぶ研修を行いました。また、先ほど述べた「多言語化推進に当たっての基準」や翻訳に係るガイドラインに基づき、各所管課等がやさしい日本語による情報提供を行っております。
ご答弁ありがとうございました。市役所内でもすでに「やさしい日本語」の研修を行っているということで、安心しました。引き続き、「やさしい日本語」の全庁的な浸透をはかっていただいて、窓口対応などでも、やさしい日本語も含めてわかりやすく対応していただけますように、よろしくお願いいたします。
また、(4)の「日本語および日本社会に関する学習支援について」は、私も先日、TIFAの日本語教室のボランティアの方からお話を伺う機会があり、長い方ですと10年以上も日本語を教えていらっしゃると聞きました。また、つい先日、日本語教室にオンラインで参加させていただく機会があったのですが、そこではさまざまな国籍の外国人市民に対して、ボランティアの先生方がとても一生懸命に、ひとりひとりに丁寧に日本語を教えている姿を見て、その情熱には感銘を受けたところです。日本語教室では、日本語だけではなく、日本のマナーや文化についても学べる機会となっていて、ボランティアの先生方と外国人の生徒さんたちのユーモアを交えた温かいコミュニケーションの場にもなっていて、外国人の方にとっても安心して日本のことを学べる場所であると思いますし、大切な交流の場であると感じました。
次に、(5)の「外国人が安心して生活できるサポート体制の充実について」では、実績を伺ったところ、TIFAで行われている「法律相談」では弁護士が初回は無料で対応していて、必要に応じて通訳ボランティアも用意しており、平成30年には7件、令和元年7件、令和2年9件と、多岐にわたる内容の法律相談が実施されたそうです。また、市役所で行われている「外国人市民相談窓口」でも、英語や中国語を話せるスタッフさんとともに、あらゆる相談に個別に丁寧に対応していることが分かりました。
続いて、(6)の「多文化共生推進のための体制づくりについて」に進みます。アンケート結果では、日本人市民の約70%、外国人市民の約72%が、「国際交流協会のことを知らない」と回答しており、現状の課題を伺ったところ、活動に参加しているメンバーはご高齢の方々の割合が高く、全体的に人手が不足していることや、若い世代の市民にも活動に参加してほしいというお話を伺いました。国際交流協会はさまざまな活動を行っているにもかかわらず、その認知度が低いことや、国際交流協会を構成するメンバーが全体的に高齢化していて、若手が少ない現状に対しては、改善の余地を感じます。そこで再質問となりますが、(再質問3)国際交流活動に関わりたいと考える市民の方々は潜在的に多くいらっしゃるのではないかと思います。比較的時間のある大学生や、子育て世代の方々も参加しやすくすることで、若者を含めた多世代を巻き込んでいき、国際交流を活発にしていくことが、外国人と日本人の相互理解や地域の活性化にも繋がるかと思いますが、今後、国際交流協会をもっと広く周知して活動への参加者を増やしていくための工夫については、どのように考えていますか?
(再質問3へのいただいたご答弁)
●活動への参加者を増やすためには、国際交流協会の活動を積極的にピーアールし、興味をもっていただくことが重要であると考えております。そこで、市の広報誌や協会のホームページ・SNSを活用しているほか、イベントや講座、ボランティア募集情報等を掲載した会報誌「TiFA(ティファ)」を年4回発行し、全戸配布や町会回覧・市内3駅での配架を行っております。また、市内の祭りやイベントに参加して周知活動を行ったり、店舗等を訪問して会員の案内を行ったりするなど、積極的な情報発信を心がけております。引き続き、様々な機会を利用してピーアールに努めてまいります。
ご答弁ありがとうございました。
先日、戸田市が後援をしている、親子で多言語に触れる国際交流イベントが開催されましたが、このイベントは、受付を開始してすぐに予約が埋まってしまうほど申し込みが多かったというお話を、主催者の方から伺いました。私もオンラインで参加しましたが、子供と一緒に多言語に触れるイベントはとても楽しく刺激的で、さまざまな国の音楽に合わせて、歌ったり踊ったりしたのですが、子育てファミリーの参加者もとても多く、このようなイベントは、子育て世代にもとても需要が高いのではないかと感じました。国際交流協会のもつ外国人市民との人脈を利用すれば、戸田市でも若い世代を取り込める国際交流イベントを開催したり、広報の仕方をさらに工夫することによって、イベントのさらなる活性化を図れるのではないかと思います。ぜひ、さまざまなイベントを通して、幅広い世代に国際交流協会の活動を認知していただいて、活動参加者を増やしていけるようにお願いしますとともに、提案とさせていただきます。
それでは、(7)の「小中学校における国際理解教育への取組について」に進みます。
ご答弁の中にありました外国語活動ですが、私も数年前の子供の授業参観で、小学校1年生の外国語活動の授業を実際に見せていただいたことがありますが、その内容には、とても感動したことを思い出します。外国語活動の中では、ALTのネイティブの先生がクイズを出しながら授業を進めていたのですが、ゲーム感覚で楽しく進められているだけではなく、授業の中で使われている英単語や文法は非常にレベルが高く、ALTの先生の質問にもスラスラと英語で答える子供たちの発音も大変すばらしいものでした。小学校1年生とは思えないような外国語の授業参観を見てとても驚くとともに、戸田市の英語教育は大変恵まれた環境にあることを実感し、ALTの先生方を含めた外国語教育の質の高さを感じました。このような外国語活動に加えて、子供たちはALTの先生と休み時間にも触れ合う機会を持つことができたり、自分とは異なる外国の価値観を肌で感じながら学ぶ環境の中で、自然と多文化共生への理念が身についていくのではないかと思います。9年間の義務教育の中で、外国語活動や英語教育を通して国際性を身に着けていくことは、これからますます多様化する国際社会においても重要であると考えます。(再質問4)そこで再質問となりますが、戸田市の小・中学校における英語教育についてもお伺いします。
(再質問4へのいただいたご答弁)
●本市では、小・中学校9年間の一貫した英語教育を通して、互いの気持ちや考えを英語で伝え合うことができる、豊かな国際性を身に付けた子供の育成を目指しています。そのために、市内小・中学校における外国語活動・外国語科では、各校からの代表教師による戸田市英語教育研究推進委員会が作成した9年間を通したカリキュラムをもとに、授業に取り組んでいます。本市の英語教育の特徴としては、全小・中学校にALTを毎日配置しているため、担任や担当教師とのティーム・ティーチングによる授業はもちろんのこと、日々の教育活動全般で、子供たちが生きたネイティブ・スピーカーの英語にたくさん触れることができることでございます。また、小学校6年生は英検Jrゴールドを、中学校3年生は原則英検3級を受験し、英語への関心・意欲を高める取組を行うとともに、地域の学習塾と連携した英検対策講座も開催しております。このような取組を長年継続して取り組むことで、全国平均では英検3級以上の取得率が25%程度なのに対して、本市では今年度も56%を超える非常に高い取得率であり、その中でも準2級以上を取得している生徒の割合は15%を超える状況となっております。
ご答弁ありがとうございました。
戸田市の英語教育は他の自治体に比べても、とても先進的であるというお話を以前から伺っていましたが、英検3級の取得率も全国平均に比べてとても高い取得率である状況からみても、戸田市が進めている9年間の一貫した英語教育が実を結んでいることを実感しますし、ALTの先生方や、担任の先生方の日々の絶え間ない努力のおかげでもあると感じています。これからも授業の中の様々な場面で、豊かな国際性を身に付ける英語教育とともに、多様性を理解する教育も継続してくださいますように、よろしくお願いいたします。このような豊かな環境で育つ戸田市の子供たちが成長した未来には、多様性を認め合い、他者を尊重し合えるような大人に成長していくことが期待できますし、そのような未来の姿が目に浮かび、とても楽しみでもあります。
最後のまとめになりますが、この一般質問を行うにあたって、私自身も「多様性とは何か」について考えてきました。そんなときに、2022年の1月1日、お正月に朝日新聞を読んでいたら、新春特別教育対談として、教育における多様性の重要性について書かれた興味深い記事がありましたので、ご紹介します。
有名な社会学者である上野千鶴子さんの対談だったのですが、その中で、「未来をつくる力は多様性の中にある」といったことが述べられていました。今、多様性は教育界の流行にもなっているそうですが、その中で上野さんは、「なるべく異質なものと触れる機会を与えることが大事である。例えば、外国で異文化に触れたり、高齢者や障がい者と日常的につきあったりする。そのような体験のなかで自然と沸き立つ違和感が、その人の問いに繋がるのではないか」と述べていました。そして、なぜ多様性が必要なのかというと、新しい価値は異なるものの摩擦の中から生まれるからである、と述べていました。そういった異なる異質なものを対談の中ではノイズ(すなわち騒音)と呼び、ノイズが発生しない同質的な組織からは価値ある情報も発生せず、多様性のない組織からは新しい知恵も生まれず、同質的な社会からは新しいものが生まれなくなり、やがて社会は行き詰っていくだろう、というお話をされていて、多様性の重要性が理解できるものでした。
たしかに、自分と似たような同質の人が集まる環境にいることは居心地も良く、安心感もあります。一方で、自分とは異なる価値観に触れることは、摩擦や葛藤を生みますし、とても大きなエネルギーを必要とします。それでも、冒頭でも述べましたが、社会における国際化は今後ますます進み、多様性を認め合うような柔軟な生き方ができる社会になっていかないと、私たちの未来は行き詰まってしまいます。多文化共生に向けた取り組みは、未来に向けて社会が発展し続けるために必須であると考えます。
戸田市においても、多様な人々が集まるまちとして今後も発展していくためには、多様性の視点をもったまちづくりがますます重要になってくると思います。これからも、戸田市と国際交流協会が協力して、県や町会・自治会などの関係団体と連携を図りながら、多文化共生に向けた地域づくりをさらに進めていって欲しいと思いますし、令和4年度には第2次戸田市多文化共生推進計画の策定となるとのことですので、より実効性のある計画を進めていただけますように、引き続きよろしくお願いいたします。
これで、私の一般質問を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。
 
 
 
宮内そうこ一般質問
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