テーマその1「市が行う無料法律相談について」】
こんにちは
3連休はいかがお過ごしでしょうか
先日の9月議会の一般質問では3つのテーマについて議場で取り上げました!
その中でも特に力を入れて要望しました「市が行う法律相談について」、一つ目としてご紹介します。
戸田市では現在、市民を対象としてさまざまな市民相談を実施しています。
弁護士による無料法律相談をはじめとして、インターネット上の誹謗中傷専門の法律相談、司法書士による身近な暮らしの相談、土地家屋調査士による相談、税理士の国税相談、社会保険労務士による労務相談など、国家資格を持つ士業の方々や専門家による相談も充実しています。
このような無料法律相談は市民の皆さんにとって大変素晴らしい行政サービスですが、市民の方からは、「オンラインなどでも相談できるようにして欲しい」「電話相談などがあればもっと気軽に相談しやすい」といったご意見もいただきました。
特に印象的だったご意見には、「離婚の相談やDVの相談など深刻な相談をしたいけれど、幼い子供を連れて市役所の窓口に相談に行くことはハードルが高く、幼い子供には聞かせたくないような相談内容もある。オンライン相談も可能にしてくれれば、自宅で子供にテレビを見せている間に親が相談できるので、オンライン相談という選択肢があるとありがたい」というご意見もいただき、オンライン相談が実施されたら助かる市民も多いのでは、と私も感じました。
他にも子育てや介護などで市役所まで簡単に足を運ぶことが難しい方や、病気や怪我などで市役所に行きたいけれど行けない方など、相談したいけれど市役所に行くことが難しい方々もいらっしゃると思います。
そもそも市民相談というのは、困っている方や生活に困窮している方が対象ですので、ご自身の病気や家族の介護など、さまざまな事情を抱えた方も多いのではないかと思います。そういったことも考慮して、他の多くの自治体では、オンラインやZoomを活用した法律相談を行っているところも多くあります。
戸田市においても、困難な状況に置かれている方々も市民相談がしやすくなるように、そして行政サービスの利便性を高めるために、電話やオンラインを活用した法律相談なども実施してはいかがかと思いました。対面の相談からZoom等のオンライン相談にすることは、お金もほとんどかかりませんし、職員さんの手間や負担もほんの少し増える程度だと思います。そして、その少しの配慮で助かる市民も多いと思います。このような背景から、市が行う法律相談のオンライン相談や電話相談のオプションも議会で要望しました!!
以下に市役所の答弁も含めた全文を掲載します。これを読んでの皆さまのご意見ご感想もお待ちしております
9月議会の一般質問全文
件名2:「市が行う法律相談について」
それでは続きまして、件名2:「市が行う法律相談について」に入ります。
戸田市では現在、市民の方を対象としてさまざまな市民相談を実施しています。
例えば、「どこに相談したらよいか分からない時」の最初の窓口として「よろず相談」があり、そこから専門の窓口に案内していただける仕組みとなっています。より専門的な市民相談をしたい時には、弁護士による法律相談や、インターネット上の誹謗中傷専門の法律相談、司法書士による身近な暮らしの相談、土地家屋調査士による相談、税理士の国税相談、社会保険労務士による労務相談などがあり、国家資格を持つ士業の方々や専門家による相談が充実しています。
このような市民相談は市民の方々にとっても大変心強く、市の無料相談で解決する場合もあれば、訴訟など次のステップに進む場合もありますが、まず最初に「どこに相談したらよいか分からない。今後どうしたら良いか分からない。」という段階から、次のステップに進むための重要な役割も果たしています。
こういった法律相談などは市民の皆さんにとって大変ありがたい行政サービスですが、市民の方からは、「オンラインなどでも相談できるようにして欲しい、電話相談などがあればもっと気軽に相談しやすい」といったご意見もいただきました。
特に印象的だった市民のご意見を紹介しますが、ある子育て中の保護者からは、「離婚の相談やDVの相談など深刻な相談をしたいけれど、幼い子供を連れて市役所の窓口に相談に行くことはハードルが高く、幼い子供には聞かせたくないような相談内容もある。オンライン相談も可能であれば、自宅で子供にテレビを見せている間に親が相談できるので、オンライン相談という選択肢があるとありがたい」という声をいただき、もっともなご意見であり、私も強く共感しました。
他にも、子育てや介護などで市役所まで簡単に足を運ぶことが難しい市民の方や、病気や怪我などで市役所に行きたいけれど行けない方など、相談したいけれど市役所には行けない市民の方もいらっしゃると思います。そもそも市民相談というのは、困っている方や生活に困窮している方が対象ですので、ご自身の病気や家族の介護など、さまざまな事情を抱えた方も多いかと思います。そういったことも考慮して、他の自治体では、オンラインやZoomを活用した法律相談を行っている自治体も多くあります。
例えば、埼玉県川越市ホームページでは、「市役所への来庁が困難な方のため、オンラインによる相談を実施しています。WEB会議システムを利用することで、来る必要がなく、自宅でお手持ちのスマホやパソコンからの相談が可能です。相談員の顔を見ながら、対面形式と同じように相談できます。」とあり、法律相談、登記相談、行政書士相談、マンション管理相談などをオンラインで行っています。他にもさいたま市では、ほとんどの市民相談において、対面か電話での相談を実施しています。「希望がありましたら電話相談をご利用いただけます。」との案内がホームページにも記載されています。鴻巣市でもWEB会議システムを利用したオンラインによる法律相談、消費生活相談などを実施しており、富士見市でもオンライン相談の案内がホームページにあり、「電話相談やオンライン相談ができます」と記載されています。上尾市ホームページでも、「市民の皆様の利便性向上のため、令和4年1月よりオンライン相談を開始しました」とあり、川口市ではオンライン相談はないものの、ほとんどの市民相談で電話または対面相談が可能であり、電話相談も受け付けています。他にも上尾市でのオンライン相談、桶川市でのオンライン相談など、埼玉県だけで見ても、多くの自治体でオンライン相談や電話相談を行っています。東京都や千葉県を見ると、時代の流れなのか、オンライン相談は珍しいものではなく、多くの自治体で一般的な方法として取り入れています。
またこれは余談となりますが、私の子供が通っている市内の小学校では、個人面談に来れない保護者のために、担任の先生はオンラインでの個人面談も受け付けてくださっています。下の子が小さかったり、仕事で忙しいお母さんもいる、といった配慮からだと思いますが、その小さな工夫や配慮によって、本当に多くの保護者が助かっています。
戸田市においても、困難な状況に置かれている方々も市民相談がしやすくなるように、そして行政サービスの利便性を高めるために、電話やオンラインを活用した法律相談も実施してはいかがかでしょうか。対面の相談からZoomの相談に切り替えることは、お金もほとんどかかりませんし、職員さんの手間や負担もほんの少し増える程度だと思いますし、そのほんの少しの配慮で多くの市民が助かることと思います。このような背景から通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
件名2:「市が行う法律相談について」
(1)年間の相談件数や利用のルールは。
(2)相談内容にはどのようなものがあるか。
(3)現在、市役所で行われている無料法律相談は対面のみである。子育てや介護を抱えていたり、本人のけがや病気など、事情があって市役所に簡単には足を運べない市民のためにも、ほかの多くの自治体で実施しているように、電話やオンラインを活用した法律相談も実施することで、市民サービスの利便性をさらに向上させることができると思うが、いかがか。
【答弁】
件名2の市が行う法律相談について、(1)の年間の相談件数や利用のルールについてお答えいたします。法律相談は、市民を対象とした無料相談として、弁護士が相談員となり、市民が抱える困り事の解決に向け、法律の考え方やアドバイスを行っており、多くの方がご利用いただいています。実施日は毎週火曜日と金曜日の昼休みを除く午前10時から午後3時まで、毎月第1日曜日は日曜法律相談として午前10時から正午までとしており、いずれも事前予約制でお一人25分間としています。令和5年度における相談実績は495件でありました。法律相談における主なルールとしましては、より多くの方が相談を受けることができるよう、同一案件での相談は1回のみとしております。ほかには相談者が既に弁護人を選任している場合や調停や訴訟等係争中の事案などは、相談をお受けすることはできません。
次に、(2)相談内容にはどのようなものがあるか、についてお答えいたします。法律相談の内容は多岐にわたっていますが、近年は相続に関することがもっとも多く、次いで、金銭や夫婦に関することが多い傾向にあります。
次に、(3)対面のほかに、電話やオンラインを活用した法律相談も実施することはできないか、についてお答えします。法律相談ではデリケートな内容を扱うことから、市では他者の存在を気にすることなく、相談者が集中して相談できる環境を整える必要があるため、個室での対応としています。相談員である弁護士は相談者の言葉だけではなく、表情や仕草から情報を得るなど初対面かつ短時間となる相談者との面談時間の中で細心の注意を払って意思疎通を図り対応しているところです。
オンラインや電話につきましては、市役所に足を運ばずに相談を受けられるというメリットがある一方、自宅以外の場所でも接続可能になることによって生じる相談内容や個人情報の漏洩への配慮、通信障害の発生、相談者の表情や仕草が読み取りにくい等、相談の質の確保の観点から懸念材料もあるところです。このため、現時点では対面方式で行うことが相応しいものと考えておりますが、他自治体でもオンラインや電話相談の導入実績があることから、今後、調査研究してまいります。
【(3)の再質問】
ご答弁ありがとうございました。まず驚いたのですが、令和5年度の相談件数が495件にものぼるということで、大変多いと感じました。また、相談内容も、相続、金銭、夫婦のことなど多岐にわたるという点から、日々の生活の中で、困っている市民の方々が本当に沢山いらっしゃるということや、市の行う弁護士による無料法律相談の需要がとても高いということが改めて分かりました。
オンライン相談や電話相談も可能にすれば、さらに利便性が向上すると思いますし、さらなる需要があると思いますが、ご答弁では、オンライン相談によるデメリットとして、相談内容や個人情報の漏洩のリスク、通信障害の発生、相談者の表情や仕草が読み取りにくい、といった3つの懸念事項が挙げられました。たしかに、市民が市役所に来られるのであれば、対面の相談がベストだと思いますし、対面の相談であれば、弁護士さんが相手の表情から読み取れる情報も多いかと思います。
しかしながら、先ほども申し上げましたが、子育てや介護を抱えていたり、本人の怪我や病気などで、なかなか市役所に足を運べない市民もいらっしゃると思いますが、その方たちは、市役所に足を運べないという理由から、市民相談を受けたくても断念しなければならない、諦めなければならない、ということは、大きなデメリットであると思います。困っている人こそ市民相談を必要としていますので、こういった方々がオンライン相談や電話相談を受けられる体制づくりこそ、必要なのではないかと思います。
相談内容の漏洩の心配に関しては、自宅から相談する方が多いと思いますし、相談者本人も相談内容を他人には聞かれたくないと思っていますので、相談者本人が周囲の環境には充分に注意すると思いますし、これに関しては問題がクリアできると思います。また、通信障害の発生ですが、これを恐れていては、オンライン会議なども含めて、私たちは何もできなくなってしまいます。コロナ禍を経て、Zoom会議やオンライン会議は企業でも一般的に行われるようになりましたし、私たち戸田市議会でも、議案等事前説明会にオンラインを取り入れています。行政においても、不便を解消する1つの方法として、オンライン会議もどんどん取り入れてみてはいかがかと思います。そして、先ほども例に挙げましたが、多くの自治体では、市役所に足を運べない市民の利便性を向上するために、オンラインによる市民相談や電話による市民相談を取り入れています。ぜひ、戸田市でも、リスクを恐れて慎重になりすぎるのではなく、市民の利便性向上のためにチャレンジしていただきたいのですし、始めようと思えばトライできることだと思いますが、いかがでしょうか。
【再質問(3)の答弁】
相談員である弁護士は、初対面かつ短時間という状況のもと、相談者の主訴を的確に把握した上で、適切な助言を行うことができるよう、深く気を配りながら相談に臨んでいるところです。法律相談の実施にあたっては、相談者への配慮も必要ですが、相談員が対応しやすい環境を整えることにも配慮が必要であると考えております。このため、現時点では対面方式が相応しいと考えておりますが、他自治体ではオンラインや電話の導入実績もあることから、調査研究を進めてまいります。
ありがとうございました。ぜひ、前向きで積極的な検討をよろしくお願いいたします。
最後のまとめとなりますが、私の前回の6月議会の一般質問では、母子健康手帳の受け取りを福祉保健センターの1か所に集約している現状に対して、市内の他の公共施設でも母子健康手帳を受け取れるような仕組みにして、オンラインで保健師さんと面談を行ってはどうか?と考えました。
これまで戸田市の行政を見てきて感じたことには、「市民が、戸田市役所に足を運ぶ」ということが制度や手続きの大前提となっていることに対して、「必ずしも市役所に足を運べる市民ばかりではない」ということや、「市役所に足を運べない市民のために、オンラインなどのデジタルをもっと積極的に活用してはどうか。」ということを感じてきました。
大きなシステムを導入しなくても、多額の費用をかけなくても、Zoomなどのオンラインを活用することは、少しの手間や工夫で実現できるのではないでしょうか。
市民に寄り添った市民目線での行政サービス、そして行政手続きにおける市民の利便性を向上させること、そういった視点を、戸田市役所でも積極的に取り入れていっていただきたく思いますし、そういう小さな工夫から、多くの市民が助かることと思いますし、戸田市の行政サービスの親切さを心から実感することと思います。最後となりますが、行政サービスにおけるデジタルの活用による利便性の向上を要望させていただきますとともに、新しいやり方にもチャレンジしていただけますように、改めてお願い申し上げます。
これで件名2の一般質問を終わりにさせていただきます。