こんにちは

今日は戸田市議会の一般質問も最終日となり、来週はいよいよ討論・採決となります。引き続き市議会にご注目いただけますと幸いです。
さて、私の一般質問のテーマ③「乳がん検診について」をご紹介します。

もう20年以上前のことですが、大学時代に1年間イギリスへ留学していた私は、ホームステイ先のホストマザーから「イギリスでは10人に1人が乳がんになるのよ」と聞き、大きな衝撃を受けました。
ちょうどその頃の日本では、乳がんになるのは20人に1人程度であり、当時の私は「欧米型の食生活やライフスタイルが影響しているのでは?」と直感的に感じたのを覚えています。
しかしながら、今、日本の状況は大きく変わりました。
乳がん罹患率は9人に1人にまで増加し、もはや乳がんは世代を問わず、すべての女性にとって身近な病気となっています。

一方で、戸田市の乳がん検診は依然として「40歳以上・マンモグラフィのみ」という昔ながらの制度のままです。
実際には、30代から乳がんのリスクは急増し、特に乳腺が発達している30代の女性にはマンモグラフィよりも超音波検査のほうが適しているとされています。また妊娠・授乳中の女性にとっても、放射線被ばくがない超音波検査は安心です。
全国の多くの自治体ではすでに、
• 受診可能年齢を30歳以上に引き下げ
• マンモグラフィに加え超音波検査の導入
といった自治体独自の改革が進んでいます。
茨城県つくばみらい市や千葉県松戸市、東京都小平市などは、低額または無料で30代からのエコー検診を実現し、検診の受診率を大きく伸ばしています。

戸田市は埼玉県内でも出生率ナンバーワン、平均年齢も埼玉県で最も若い街です。すなわち、戸田市は30代の若い女性も多く住む街である、ということを意味しており、従来の古い制度のままでは、多くの若い女性が、乳がん検診の機会からこぼれ落ちてしまいます。
若い女性や子育て世代からは、
• 「30代から乳がん検診を受けたい」
• 「エコー検査も導入してほしい」
という声が何度も繰り返し寄せられてきました。
乳がんは早期発見・早期治療で9割以上が治る病気です。検診で救える命があるのならば、市独自の制度を導入し、今こそ時代に合った検診体制へとアップデートするべきではないでしょうか。

私は今回の9月議会で、市民の多くの声を受けて、


を強く市に要望いたしました。
戸田市も国の指針をただ待つのではなく、先進自治体に学び、市民の命を守るための柔軟で迅速な対応が必要だと感じています。

乳がん検診の拡充は多くの市民の命と未来を守るための投資だと考えます。戸田市も次の一歩を踏み出し、「30歳以上・エコー検査導入」の体制を整えるよう、これからも引き続き要望して参ります!
ぜひ多くの市民の皆さまにこの課題を知っていただき、ご意見をいただけますと幸いです。


ぜひご覧になってください!
9月議会の一般質問③「乳がん検診について」
【宮内の発言】
おはようございます。戸田の会の宮内そうこです。本日トップバッターですが、市民の皆さまからいただいた声をしっかりと議会に届けていきたいと思います。
まず、本日の一つ目のテーマでは女性の乳がん検診について取り上げさせていただきます。
もう20年以上も前の話ですが、私は大学時代に1年間イギリスに留学しました。そのとき、ホームステイ先のホストマザーから「イギリスでは約10人に1人が乳がんになる」と聞いたときの衝撃が、今でも忘れられません。
私自身、留学中にはかなり体重が増えたので、「10人に1人も乳がんになるのは欧米の食生活の影響だろう」と直感的に感じました。当時の日本では乳がんはまだ約20人に1人程度と言われておりました。
しかしながら、今、日本における乳がんの発症率は、約9人に1人まで増えており、この20年間ほどで倍増しています。
この期間、日本の社会は大きく変化しました。和食中心だった健康的な日本の食文化は大きく変わり、働く女性も増え続け、乳がんの増加は、女性の社会進出によるストレスも大きく影響していると考えられます。テレビでも若くして乳がんになる著名人などの話題を目にする機会も増えました。
今、日本において、乳がんは世代を問わず、9人に1人もかかる非常に身近な病気となりました。
一方では、近年、乳がん患者が増え続けているにもかかわらず、戸田市の乳がん検診制度は昔のままです。
戸田市の乳がん検診は今も昔も、「40歳以上が対象」で「方法もマンモグラフィーのみ」となっています。
国の基準は満たしていますが、30代から急激に増えている乳がんのリスクには対応できておりません。
特に30代女性は乳腺が発達していて「高濃度乳房(こうのうどにゅうぼう)」になりやすく、マンモグラフィーではがんの有無が判別しにくいという課題があります。その点、超音波検査(エコー)は乳腺が発達している30代女性にも有効であり、放射線被ばくもなく、妊娠・授乳期の女性も安心して受けられる方法です。
私のもとには、若い女性やママ友などから「戸田市でも30代から乳がん検診を受けられるようにしてほしい」「マンモグラフィーだけはでなくエコーも導入してほしい」といった声がこれまで多く寄せられてきました。
そこで参考にしたいのが、すでに全国で取り組まれている先進事例です。例えば茨城県つくばみらい市では20代から30代を対象に、毎年乳腺エコーを実施しており、自己負担は600円と低額に抑えられています。千葉県松戸市では30代女性にエコー、40代ではマンモグラフィーとエコーを交互に実施する柔軟な仕組みを導入し、費用も900円と安価です。また東京都小平市では30代のエコー検査を、なんと無料で提供しており、経済的負担を完全に取り除くことで受診率向上を実現しています。
他にも、茨城県常総市(じょうそうし)では20歳からエコー検査を導入し、茨城県守谷市では30代からエコー検査、大阪市のような大きな政令市でも30代のエコー検診を公費補助付きで導入し、自己負担を1,000円と安く抑えています。仙台市では30代女性の乳腺エコーを2,000円で提供し、千葉県野田市や流山市では自己負担500円程度で30代からのエコーを導入しています。
こうした自治体に共通するのは、30代、あるいはもっと若い20代からエコー検査を導入していること、自己負担を500〜1,500円程度に抑えていること、そして集団検診と個別医療機関を組み合わせ、受診しやすい体制を整えていることです。
一方で戸田市ではどうでしょうか。
本市は若い女性や子育て世代が多く住む街であり、埼玉県内でも出生率ナンバーワン、平均年齢も最も若い市です。つまり、乳がんリスクが高まる30代女性が特に多い街だといえます。だからこそ、「30代から乳がん検診を実施してほしい」「マンモグラフィーだけでなくエコー検査も導入してほしい」という声が市民から繰り返し寄せられてきました。
今の戸田市の制度では、乳がん検診が必要な30代女性が制度からこぼれ落ちています。戸田市においても、こうした市民ニーズに応え、時代に即した検診の仕組みを導入していくべきと考えます。以上を踏まえ、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
件名1:「乳がん検診について」
戸田市における乳がん検診の受診率と年代別の受診人数、検診結果とその後のフォロー体制について。ご答弁をよろしくお願いいたします。
【戸田市の答弁】
1.乳がん検診について、(1)戸田市における乳がん検診の受診率と、年代別の受診人数および、乳がん検診の結果とその後のフォローについてお答えします。乳がん検診は国から示されている「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針に基づき、40歳以上の女性を対象に、2年に1回のマンモグラフィ検査を実施しております。令和6年度の本市の乳がん検診受診人数は、40歳代が1,009人、50歳代が997人、60歳代が592人、70歳代以上が431人の合計3,029人でございます。受診率につきましては、厚生労働省の地域保健・健康増進事業報告における統計では、特に受診を推奨している40歳以上69歳以下の方の受診率が公表されており、当該報告では、本市の受診率は18.5%となっております。検診結果につきましては、要精密検査と判定された方が246人でその精密検査の結果、現時点で、乳がんと診断された方は5人となっております。検診後のフォローにつきましては、要精密検査となった方で、一定期間経過後に精密検査の受診が確認できていない方に対して、電話での受診勧奨を実施しております。
【宮内の再質問1】
ご答弁ありがとうございました。それでは順次、再質問をさせていただきます。まず1点目ですが、本市における乳がん検診の受診可能年齢を「30歳以上」に引き下げて欲しいのですが、それについてはいかがでしょうか。
【戸田市の答弁】
自治体が実施するがん検診は、集団全体の死亡率減少を目的に公共的な予防対策として実施される対策型検診であり、国の指針に基づき実施しております。指針には、がん死亡を減らす効果が確実で、かつ、利益が不利益を上回るとした科学的根拠に基づくがん検診が定められております。指針では、現状、乳がん検診の対象者は40歳以上とされておりますことから、それに基づき実施をしてまいりますが、今後とも、国の動向をみながら指針が改正された際には、実施の検討をしてまいります。
【宮内の発言】
近年、乳がんは30代から急増しており、昔ながらの検診制度では実態に対応できなくなっています。国の指針に従うことは基本ですが、それだけでは市民ニーズに応えることはできません。戸田市は子育て世代・働き盛りの30代女性が多く住むまちであり、乳がんは早期発見・治療が重要、しかも若いほど進行が速いため、30代からの検診が必要です。全国ではすでに30代検診の導入が広がっており、本市も独自に制度を整えるべきです。国の動向を待つのではなく、市民ニーズに応え、制度からこぼれる世代を守るために、柔軟かつ迅速な仕組みの構築が求められます。実際に市民からも「30代から検診を受けたい」という声が繰り返し寄せられており、戸田市独自の体制を早急に整備していただけますよう、強く要望します。
【宮内の再質問2】
続いて再質問をいたします。本市の乳がん検診の項目に、マンモグラフィだけではなく、超音波検査(エコー)も導入してほしいのですが、いかがでしょうか。
【戸田市の答弁】
国の指針における乳がん検診の検診項目は、問診とマンモグラフィ検査とされており、現在、超音波検査については検診項目に含まれていない状況でございます。指針では、マンモグラフィ検査の具体的な実施方法が示されており、その他、検査が正しく行われているかの評価や改善策のフィードバックなどの精度管理の指標や手法についても定められているところでございます。超音波検査については、現状、検査の実施方法や精度管理の指標や手法が示されておりませんので、今後、精度管理手法なども含め国の指針が改正された際には、実施の検討をしてまいります。
【宮内の発言】
たしかに国の指針では、乳がん検診の基本項目はマンモグラフィーとされ、エコー検査は含まれておりません。しかしながら、この国の指針は、自治体が独自に検査内容を充実させ、住民の健康を守ることを制限するものではありません。乳がんは特に30代後半から増加し始め、若いほど進行が速いことで知られています。また、マンモグラフィーは、30代に多いとされる「高濃度乳房」のがんを見逃しやすいという限界があり、30代の女性にとっては不安の残る検査です。これに対して乳腺エコーは放射線の被ばくもなく、また、妊娠・授乳期でも安全に受けられるという大きな利点があります。そのため、妊娠中の女性からも、「エコー検査も受けられるようにしてほしい」という切実な声も寄せられています。
冒頭でも述べましたが、全国の先進自治体では既に、30代からのエコー導入が自治体独自の判断で進められています。国の改正をただ待つのではなく、市民の命を守るという自治体本来の使命に立ち返っていただき、市が独自にエコー検診を導入していただけますように強く要望いたします。
【宮内の再質問3】
続きまして、乳がん検診の受診率を向上させるための周知・啓発活動を本市ではどのように行っているか、お伺いいたします。
【戸田市の答弁】
乳がん検診の対象者全員には個別で受診券と案内を送付しており、その中で、最初の検診対象となる40歳の方へは無料で受診できるクーポン券を発行しております。また、受診が確認できない方に対しましては、勧奨通知を送付し、受診勧奨を行っております。その他、健康福祉の杜まつりや女性の健康週間などにおける、パネル展示や乳がん触診モデルを使った自己検診の方法など、各健康イベント等を通して周知啓発を図っております。
【宮内の発言】
対象者への案内送付やイベントでの啓発活動など、様々にご尽力いただいていることにまずは感謝を申し上げます。その上で提案なのですが、乳がん触診モデルを女子トイレなど身近な場所や、公共施設、イベントなどで、さらに設置を推進していただけますと幸いです。実際に「しこりの感触」を触って体験できることは、乳がんをより身近に意識するきっかけになります。触診モデルは1体7~8万円と高価であると聞いており、多数の配置は難しいかもしれませんが、限られた数でも効果的に活用することで大きな啓発につながると考えます。今の本市の乳がん受診率は18%ですが、さらなる周知啓発により、受診率アップの伸びしろが期待できます。乳がんは早期発見・早期治療が大切です。受診率をアップさせるためにも、検診内容の見直しも含めて、取り組んでいただけますよう、よろしくお願いいたします。
【宮内の発言(最後のまとめ)】
最後のまとめとなりますが、乳がんは、早期発見すれば9割以上が治るがんです。しかしながら、そのためには「時代に即した検診制度」が必須です。戸田市も「40歳以上・マンモのみ」という従来の方法から、「30歳以上・エコー導入」へと進めていただけますように、改めて要望とさせていただきます。近隣の自治体で既に実現していることを戸田市でできない理由はありません。私は、子育て世代の母として、ママ友の声を直接聞く機会も多くあり、30代で乳がんになったママ友もいます。また、私と同世代の友人にも乳がんが増えており、この問題を他人事とは思えず、今回一般質問をさせていただきました。検診で救える命があるのであれば、そこにこそ、市民の大切な税金を投入すべきではないでしょうか。市民の命を守るために、戸田市でもぜひ市独自の制度の導入と、アップデートをしっかりと推進していただけますように、強く要望させていただきます。以上で件名1の一般質問を終わります。
