活動報告

【2025年5月9日 戸田市の産後の事件について思うこと】(出産は「おめでとう」だけでは終われない。産後のママとパパに優しい社会を)

こんにちは。
先日、戸田市では生後4ヶ月の赤ちゃんが浴槽で亡くなるという、とても痛ましく、心が締めつけられるような事件が起きました。
亡くなられた赤ちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
私自身も、1人目の出産後に「産後うつ」を経験しました。この事件を知った時、胸の奥がざわついて、しばらくは言葉にできませんでした。
私にとっても、初めての出産は、幸せというよりも、辛いことの連続でした。
産後の身体の痛みが治らないまま、24時間の休みのない育児が産後すぐに始まります。
私も、泣き止まない赤ちゃんを夜遅くにベビーカーで連れ歩いたこともあります。
耳を塞いで「うるさい!!」と赤ちゃんに怒鳴ってしまった日もありました。
睡眠不足で疲れ果てて、ふとベランダの下を見下ろしてしまったことも…ハッと我に返っては、子育てがうまくいかない自分に対して責める毎日でした。
「母親なんだから、ちゃんとしなきゃ」
そんなプレッシャーに、自分がどんどん追い詰めてられていきました。
いちばんに頼りたかった夫は、当時はまだ20代でした。会社では働き盛りの若手世代で、早く帰れるはずもなく、毎日深夜まで仕事で、日付けが変わる頃に帰る毎日…
日中は赤ちゃんとふたりきり。
話す相手もいない日々。
何をしても泣き止まない赤ちゃん。
赤ちゃんの泣き声は、本当に大きくて、神経を逆撫でするような声に感じられ、産後しばらくは、毎日が出口のないトンネルの中にいるようでした。
今なら冷静にわかります。
赤ちゃんの泣き声は、生きるためのSOSであることを…でも当時の私は、それを受け止める余裕がありませんでした。
⭐️産後1年以内のママの自殺率は非常に高い⭐️
厚労省と朝日新聞の調査によると、2022年と2023年の2年間で、妊娠中や産後1年以内に自殺した女性は少なくとも118人もいます。そのうち85人は出産後の自殺で全体の約72%を占めています。0歳の赤ちゃんを育てるママの自殺率がこれほど高いことは、実はあまり知られていません。
出産はたしかに「おめでたく」「尊いこと」です。
でもその裏側では、ママの心と身体はボロボロになっていることもあるのです。「人生で最も幸せ」と言われる時期に、実は、人生で最も孤独を感じていることがあるのです。私自身もそうでした。
⭐️産後クライシスの周知やケアを⭐️
行政の産後ケアや子育て支援もとても大切です。
そして戸田市でも「産後ケアサポートや子育て支援」はどんどん使いやすい制度へと進化しています。まだ完璧ではないものの、この数年間でも大きく変わりました。
でも、それだけでは救えない部分もあります。
とくに重要なのは夫婦関係や家族の理解だと思います。
産後は、女性だけでなく、男性だって大変です。
妻子を守ろうと夜遅くまで必死に働いているパパもたくさん見てきました。
ですが、今の日本社会では、パパも育児をしたくても、男性の長時間労働や職場の理解不足で、パパが育児に関わる余裕がないのです。
育児休暇を取れるお父さんは、昔よりは増えてきましたが、現実的にはまだまだ少ないと感じています。もし取れたとしても1週間や2週間など、、、それでは全然足りません。せめて数ヶ月は取得してくれたら、産後のママはどんなに心強いでしょうか。
一方では、パパだって会社と家庭の板挟みで苦しいと思います。(当時はそこまで思えませんでしたが、、、今ならそう思います💦
自分を振り返ってみても、産後は、ママもパパも余裕がなく、どちらも必死なのです。だからこそ、もっとパパが育児休暇を取りやすく、夫婦が支え合える環境が必要だと思っています。
私は過去の戸田市議会の一般質問で、
• お父さんのための父子手帳の導入を
• パパママ教室のさらなる充実を
• 祖父母世代への啓発を
• 産後クライシスに関する周知を
  • 地域や社会全体で子育てを支える仕組みを
などを議会で提案してきました。
(詳しくは以下のリンクをご覧ください。)
そして行政の支援と同じくらい大切なのが「社会全体のまなざし」です。
もし泣いている赤ちゃんを見かけたら、にっこり笑って、あやしてあげてほしいです。
もし駅やスーパーで困っているママやパパがいたら、「大丈夫ですか?」と声をかけてあげて欲しいです。
改札や電車の乗り降りで困っている方がいたら、ベビーカーを運ぶのを手伝ってあげて欲しいです。
その一言やそのちょっとした行動が、育児で追い詰められたママやパパの心を救うことがあります。私も何度もそうやって救われてきました。
長くなりました💦
最後となりますが、出産や子育ては、当たり前に見えても、誰もが命がけで必死なのです。
「出産おめでとう」の裏にある葛藤と孤独に、もう少しだけ社会全体が優しく寄り添えるように願うばかりです。
赤ちゃんは本当に可愛いですし、みんなに大事にされますが、まずいちばんにケアされるべきなのは、出産という命がけの大仕事をしたママの身体であり心であると思います。
とても悲しく痛ましい事件に、目を背けたくなりますが、「ママやパパだけが頑張らなくても良い社会」に向けて、これからも声を上げ続けていきたいと思います。
Facebook
Twitter