テーマ2母子手帳の受け取り場所と方法について
こんばんは
一般質問の2つ目のテーマは、「母子健康手帳の受け取り場所及びその方法について」質問しました。
戸田市では令和3年度から母子健康手帳の受け取り場所が福祉保健センターの1か所に集約されました。
このような変更になったのは、母子手帳を手渡すときに保健師との面談の機会を設けることを最大の目的としたことが理由であると考えますが、それにより、原則として妊婦本人が福祉保健センターに足を運び、母子手帳を受け取るという運用に変わりました。
令和3年度以前は、戸田公園駅前行政センターや美笹支所など市内4か所の公共施設で母子手帳の交付が行われていました。
このような経緯から子育て世代からは、「これまでは自宅の最寄りの施設で母子手帳を受け取ることができて、とても便利で助かっていた。それが令和3年度から福祉保健センター1か所のみとなり、なぜこのように不便な変更がされたのですか」という声をいただきました。
福祉保健センター1ヶ所でしか母子手帳が受け取れないと、美女木や笹目などからはかなり遠いという問題もあります。妊娠初期の妊婦さんは車の運転を控える時期でもあり、つわりなどで体調が悪い中でバスや徒歩などで行くしか方法がありません。
妊娠初期はつわりが数週間続くことも珍しくなく、流産の可能性も一番高い時期であり、その時期と、母子手帳を受け取る時期はちょうど重なります。
妊婦さんにとって最もデリケートで大変な時期であることを考慮すると、母子手帳を福祉保健センターまで受け取りに行くことが難しい家庭のために、母子手帳を郵送で送ったり、最寄りの複数の公共施設で母子手帳を受け取れるようにするなど、他の自治体のように、複数の選択肢を用意すべきと考え、議会で要望しました。
戸田市では毎年1000人以上の妊婦さんが母子手帳を受け取っていますが、その中にはさまざまな事情がある妊婦さんもいらっしゃると思います。
福祉保健センター1か所でしか母子手帳を受け取れない現行のシステムは、
①全ての妊婦さんが元気で公共交通機関で移動ができるか、
②全ての妊婦さんに頼れるパートナーや夫がいる、
という前提のもと考えられた仕組みです。
しかしながら何事にも必ず例外があり、選択肢は1つではなく複数の選択肢があること助かる家庭も多いのではないかと思います。
私の提案としては、以前は市内4か所で母子健康手帳の交付を行っていたことを考慮して、最寄りの公共施設に保健師を(常駐は難しいので曜日と時間帯を決めて)配置していただければ、母子手帳の交付と妊婦との面談が同時にできてベストな方法だと考えたことから、そのような方法を議会で提案させて頂きました。
市としても、妊婦さんと面談をするために福祉保健センター1箇所に集約した経緯があるものの、母子手帳を受け取りに来られない妊婦さんにも配慮して、妊婦さんのいる家庭に寄り添っていくことも重要であるとのご答弁があり、これから前向きに色々な方法を検討して行ってくださるとのご答弁をいただきました。
また、戸田市で安心して子供を産み育てられる環境作りに取り組んでくださるとの回答をいただきました。
妊婦さんのいる家庭に寄り添った母子健康手帳の交付の方法、および面談の方法については、色々な方法があるかと思いますが、これからも行政と話し合っていきたいと思います。
詳しくは以下の一般質問全文をご覧ください。
皆さまからのご意見ご感想をお待ちしております!
以下、一般質問の全文になります
「件名2:母子健康手帳の受け取り場所及びその方法について」
それでは続いて、「件名2:母子健康手帳の受け取り場所及びその方法について」に入ります。戸田市では令和3年度から、妊娠届け出と母子健康手帳の受け取り場所が福祉保健センターの1か所に集約されました。このような変更になったのは、妊娠届け出によって母子健康手帳が交付されますが、その際に保健師との面談の機会を設けることを最大の目的としたことが理由であると考えますが、それにより、原則として妊婦本人が福祉保健センターに足を運び、母子手帳を受け取るという運用に変わりました。令和3年度以前は、戸田公園駅前行政センターや美笹支所など、市内4か所の公共施設で母子手帳の交付が行われていました。このような経緯から、子育て世代からは、「これまでは自宅の最寄りの施設で母子手帳を受け取ることができて、とても便利で助かっていた。それが、令和3年度から福祉保健センター1か所となり、なぜこのように不便な変更がされたのですか」という声をいただきました。
例えば、妻が2人目を妊娠中であるというお父様からは、「妻が妊娠中でつわりが苦しく、車の運転もできなかったので、代理人である自分が、代わりに福祉保健センターに母子手帳を取りに行きました。しかしながら、今の若い子育て世代は自家用車を保有していない家庭も多く、決してアクセスが良いとは言えない福祉保健センターに、母子手帳の受け取りのためだけに足を運ばなければならず、とても非合理だと感じました。面談が大切なのは十分に理解できますが、妊婦がいる家庭に優しい対応とは思えません。」といったご意見をいただきました。
他にも、妊娠した時点では籍を入れておらず、未婚の女性からもご意見をいただきました。「妊娠初期のつわりが苦しい時期でしたが、未婚でひとり親だったので頼れる人がおらず、トコバスを1時間以上乗り継いで、遠く離れた福祉保健センターまで行きました。母子手帳を受け取り、その場で面談をしてもらえるのはありがたかったけれど、妊娠中で体調が優れない中で、1時間以上のバスの移動は大変でした。もっと近くで母子手帳を受け取れるとありがたいです。夫やパートナーがいないひとり親の家庭には、郵送で母子手帳を送付していただくなど、配慮があると助かります。」というご意見もいただきました。
戸田市では、オンライン面談の方法もありますが、その場合も、夫やパートナーなどの代理人が必ず福祉保健センターへ母子手帳を受け取りに行くことが原則であることは変わりません。
妊娠初期はつわりが数週間続くことも珍しくなく、流産の可能性も一番高い時期であり、その時期と、母子手帳を受け取る時期はちょうど重なります。妊婦さんにとって最もデリケートで大変な時期であることを考慮すると、ひとつの選択肢だけではなく、複数の選択肢が必要だと私も感じました。
現在、戸田市が行っている「妊婦さん全員に福祉保健センターまで足を運んでいただく」という方法は、体調がよくて、長時間の移動が可能である妊婦さんにとっては何も問題がありませんし、母子手帳の交付と保健師との面談が同時に行えて、ベストな方法であると思います。一方では、つわりで体調が優れない妊婦さん、赤ちゃんや乳幼児を一緒に連れて行かなければならない妊婦さん、夫やパートナーには頼れない妊婦さんにとっては本当に大変です。妊娠初期のつわりの時期は、車の運転を控えた方が良い時期でもありますので、そうなると、例えば、美女木、喜沢、笹目地域など、遠く離れた地域にお住まいの妊婦さんは、妊娠初期の体調が悪い中で、バスなどを1時間~2時間も乗り継いで福祉保健センターに足を運ぶことになります。真夏の暑い時期でしたらさらに大変ですし、小さな赤ちゃんを抱っこしたり、乳幼児を連れてのバスでの移動も、妊娠中の身体には本当に大変です。
他の自治体の状況を調べてみたところ、東京都や近隣市など多くの自治体では、母子手帳の交付場所を1か所に限定している自治体はほとんど見られませんでした。複数の公共施設で母子手帳の交付を行っている自治体がほとんどであり、別の方法としては、行政に足を運べない方のために、郵送で母子手帳の送付を行っている自治体も多くあります。さらには、複数の公共施設に保健師を配置して、そこで母子手帳の交付と面談を同時に行っている自治体もあります。
一方では、戸田市のホームページを見ると、「母子手帳の交付は福祉保健センターで行います」との記載のみで、他の選択肢は記載されておりません。夫やパートナーなどの代理人であっても、必ず福祉保健センターに足を運び、母子手帳を受け取りに行かなければなりません。
元気な妊婦さんもいれば、体調が優れない妊婦さんもいます。そして、妊婦さん本人が行けない場合は、夫やパートナーに頼れるのが理想ですが、夫やパートナーに頼れない妊婦さんも現実的には沢山いらっしゃると思います。私自身も妊娠中は、体調が優れない中で無理をした結果、緊急切迫早産となり、そのまま病院に運ばれて2か月の入院をした経験があります。その経験からも、妊娠中は、本当に何があるか分からないと痛感しました。大丈夫だと思っていても、大丈夫では済まないことも起こりえます。
戸田市では、毎年1000人以上の妊婦さんが母子手帳を受け取っていますが、その中には、さまざまな事情がある妊婦さんもいらっしゃると思います。福祉保健センター1か所でしか母子手帳を受け取れない現行のシステムは、全ての妊婦さんが元気であり、公共交通機関で移動ができるか、または、全ての妊婦さんに頼れるパートナーや夫がいる、という前提のもと、考えられた仕組みです。しかしながら、何事にも必ず例外があり、選択肢は1つではなく、複数の選択肢があることで、救われる家庭も多いのではないでしょうか。
菅原市長の公約では、「自宅で全ての行政手続きが完了できるDX化」が掲げられていますが、この令和の時代において、行政手続きの負担を減らしていく、という考え方は、これからますます市民に求められていると思います。
一方では、合理化だけでは図れないことももちろんあります。国のガイドラインでは、母子手帳の交付時が、妊婦との接点を持つ貴重な機会であることや、戸田市では面談率が高くないといった課題があり、それも理解しています。保健師との面談の機会そのものはとても重要ですし、大切な機会であると思います。今回の一般質問は、面談の機会そのものを否定するものではなく、どのような方法であれば、妊婦さんのいる家庭にとって一番ありがたいのか、負担が少なく済むのか、といった視点からの質問になります。そのような背景から、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
「件名2.母子健康手帳の受け取り場所及びその方法について」
本市では令和3年度から、妊娠届出及び母子健康手帳の交付は、母子保健コーディネーターや保健師との面談の機会を設ける目的のため、原則として、妊婦本人が福祉保健センターに赴き受け取ることになっている。例外として、オンライン面談の方法もあるが、その場合も代理人が福祉保健センターへ母子健康手帳を受け取りに行く必要がある。しかしながら、若い世代は自家用車を保有しない家庭も多く、市内全域からアクセスが良いとは言えない福祉保健センターに、母子健康手帳の受け取りのためだけに足を運ばなくてはならないことは負担が大きいとの声が届いている。市長公約にも「自宅で全ての行政手続きが完了できるDX化」が掲げられている。そのような背景から以下2点について伺う。
(1)オンライン面談を受ける人の割合は。
(2)夫やパートナーなどの代理人が、駅前行政センターや美笹支所などの最寄りの施設で母子健康手帳を受け取れるようにするなど、妊婦のいる家庭に寄り添った柔軟な対応をしていただきたいが、市の考えは。
【答弁】
件名2.母子健康手帳の受け取り場所及びその方法について、の(1)オンライン面談を受ける人の割合についてお答えいたします。令和5年度の妊娠届・母子健康手帳の交付件数は、1,170件でございました。そのうち、ご家族等による代理申請は47件(約4.0%)、代理申請後、オンライン面談を希望された妊婦は1名、割合としては全体の約0.1%でございます。
次に(2)、代理人が駅前行政センターや美笹支所などの最寄りの施設で母子健康手帳を受け取れるようにするなど、妊婦のいる家庭に寄り添った柔軟な対応についてお答えいたします。
母子健康手帳の交付は、令和3年度以前は、市内4か所で行っており、保健師による面談は、福祉保健センター1か所のみで実施しておりました。国のガイドラインでは、妊娠の届出・母子健康手帳交付時は、ほぼすべての妊婦と接点を持つことができる貴重な機会であるため、その機会に面談等により情報収集や情報提供を行うこととされていましたが、本市では、面談率が高くなく、またフォローが必要な妊婦になかなか連絡がつかないという課題がございました。そこで、これらの課題を解消するため、必ず保健師が妊婦またはご家族等と面談する仕組みを構築し、令和3年4月から、母子健康手帳の交付場所を福祉保健センター1か所へ集約した経過がございます。また、その際、代理人による申請においても、後日、保健師との面談のために、妊婦の方にお越しいただくご不便をかけないよう、他の自治体に先駆け、オンライン面談を導入いたしました。この取り組みにより、保健師との面談を着実に行うことが可能となり、妊婦の方の不安の早期解消や、保健師との接点ができるなどの効果があったものと考えております。
特に、継続的にフォローが必要なご事情を抱える妊婦の方にとっては、妊娠届出時が保健師と妊婦の最初の接点であり、支援の方針を考えるための貴重な機会となっているところです。また、虐待で亡くなった子供の約半数はゼロ歳児と言われており、こどもを虐待から守るためには、いかに早期にリスクを発見するかが大変重要となります。この点においても、保健師を福祉保健センターに集中配置することで、保健師間の情報共有、多職種の専門家同士の連携などにより、リスクの早期発見と支援開始が可能となったところです。
一方で、母子健康手帳の交付時期が、妊婦が体調を崩しやすい時期であることや、ご家族等の支援が受けることのできない妊婦の方などにも配慮する必要もございます。配慮が必要な妊婦の方からご相談があった際には、それぞれの状況を確認して寄り添った対応を講じてまいります。また、議員お話しの他の公共施設での母子健康手帳の交付につきましては新たに保健師の配置が必要となるため、現時点では困難でございますが、他自治体の事例等を参考にしながら、妊娠中の様々な不安や心配事を軽減しつつ、合わせて利便性が向上するための検討を行い、安心して出産・子育てできる環境を整えてまいります。
とても前向きなご答弁をありがとうございました。ここで改めて、面談の機会が行政にとっても、妊婦さんにとっても、とても大切な機会であるということが理解できました。
ご答弁いただきましたように、戸田市では面談率が高くなく、またフォローが必要な妊婦さんになかなか連絡がつかないという課題があったことや、その解決策として、保健師が妊婦さんと面談する仕組みを構築し、令和3年度から福祉保健センター1か所へ集約した経緯があるということも理解できました。また、戸田市では他の自治体に先駆けてオンライン面談を導入するなど、さまざまな工夫もしてくださり、大変ありがたく思っています。福祉保健センターで妊婦さんに寄り添ってくださっている保健師や職員の皆様には、改めて感謝を申し上げます。
その一方で、令和3年度からの新しい体制だと、福祉保健センターまで足を運ぶことが困難な妊婦さんもいる、という新しい課題も出てまいりましたが、それについても、ご答弁の中で、「母子手帳の受け取りが難しい家庭への配慮も必要である」とのご理解をいただきまして、ありがとうございます。
現時点で配慮が必要な妊婦の方からご相談があった際には、寄り添った対応をしていただけるとのこと、大変ありがたく思っています。
また、「新たな保健師の配置が必要になるため、今すぐには難しいけれど、福祉保健センター以外の公共施設での母子手帳の交付についても、前向きに検討していっていただける」とのご答弁に、感謝を申し上げます。
市内の複数の公共施設に保健師が常駐することは人手の面から難しいと思いますが、例えば提案ですが、1か月に1~2回、1時間など、時間を決めて保健師を配置していただき、最寄りの公共施設で母子手帳の交付と面談を同時にできる仕組みを構築していただけると、毎年1000人以上いる全ての妊婦さんやその家族にとって、本当に助かると思いますし、救われると思います。ご答弁にもありましたように、利便性が向上するための検討を行っていただきまして、戸田市でこれから出産・子育てをしたいと思っている誰もが、安心して子育てできる環境を整えていっていただけますよう、切にお願い申し上げまして、件名2の一般質問を終わりにさせていただきます。